パトリック・モディアノ、ノーベル賞受賞スピーチ, le 7 déc….



パトリック・モディアノ、ノーベル賞受賞スピーチ, le 7 déc. 2014 :

「人生は、その時微かな光を放ちはじめる。」

Photo Patrick Modiano accepts Nobel prize, confident of literature’s future theguardian.com

…遅くなってしまいましたが、去る12月7日にスウェーデン、ストックホルムで行われた、M. モディアノ、ノーベル賞受賞のスピーチ。
全文のトランスクリプションはこちら
*というか映像↓↓と対応していない箇所もあるので、トランスクリプションではないように思いますが…;)

Verbatim : le discours de réception du prix Nobel de Patrick Modiano mobile.lemonde.fr

そして、映像がこちら、です。

Streamed live on Dec 7, 2014 The 2014 Nobel Prize in Literature lecture will take place at Svenska Akademien in Stockholm, Sweden at 17:30, Sunday 7 December. youtu.be

…非常にゆっくり読まれていますし、テクストを見ながら、フランス語の聞き取りの練習にもいいかもしれません。
でもそれ以上に、いや、これは何とも胸に迫る、touchantなディスクールですね。。何度もホロッとしました;)

訳そうか、ともちょっと思ったのですが、川端のノーベル受賞スピーチ(『美しい日本の私』)なんていまでも立派に書籍として売られているくらいですから、 勝手に訳したりしちゃいけないんでしょうね、やっぱり。。w

フランス語だと sobre 、というでしょうけど、まったく派手な効果を狙うことなく、ただ、ひたすら謙虚に世界を見つめることの向こうに自らの文学を位置づけるものですが、
はっきりいって、いまの日本の作家で、ここまで虚飾なく、率直でしかも内容あるスピーチのできる人、といえばだれがいるでしょうか。。その上、けっこうふつうに面白い(笑)

プルーストやヒッチコック(!)のみならず、永井荷風にまで言及があったのには驚きました。しかも、バルザック、ディッケンズ、ドストエフスキーと並べ、もっとも偉大な小説家の一人、といっています。(35分あたり)

「ふらんす」2015年1月号モディアノ特集に僕が書いたことは、みんな、さらにクリアに、遥かに素晴らしく、
本人のことばでここにいい表されています。

…というか、自分はいつも作家の伝記を読むことを躊躇う、という話から、著書を読むことだけが作家の内側に入らせてくれ、そこで作家は静かに彼の声で語り出す、というようにもいっています;)(24分台終わりより)

…訳すわけにはいきませんが、1箇所だけ(笑)簡単に、大意をご紹介させていただきましょう、やっぱり;)

私はいつも、詩人と小説家は《謎》を与えるものだと思ってきました。日常生活のなかに飲み込まれているような存在、一見ありきたりなものごとに。
そしてそれは、一貫した注意力で、ほとんど魅せられたように、 飽くこともなくそれらを見つめ続けることによって、なのです。そんな作家のまなざしのなかで、当たり前の人生は、遂には《謎》に包まれる。そして微かな光を放ちはじめる。一見したところでは判らなかった、でもその奥底に隠されていた光です。

(22分台終わりより。このポストのタイトルは、この部分から採りました。)
…この奥底に隠れている《リアリティ》を明るみに出し、膨大な忘却という白紙のページにわずかなりとも刻んでいく。それが小説家の仕事だ、とM. モディアノはいうのです。

P. モディアノ『失われた時のカフェで』 ノーベル賞記念特別エディション出来!(第四版) 50ページの書き下ろしオリジナル・モディアノ論を併録、入門にも好適!

パトリック・モディアノのページ、
Modiano Japon はこちら。

SOURCE: http://yuichihiranaka.tumblr.com/post/105888058366