World without Prince.…プリンス。それは、ひとつの《可能性》だった。 (Photo:…



World without Prince.

…プリンス。それは、ひとつの《可能性》だった。

(Photo: http://amsterdamnews.com/news/2016/apr/21/remembering-prince-music-superstar/ )

どうしようか、と思ったのですが、やはりこのポストは立てておくことにします。

ここ数年、80年代を代表した、アメリカ・ブラック・ミュージックの巨星が奇しくも相次いで世を去りました。

いうまでもなく、Whitney、Michael、そして今回のプリンス、です。

Michaelの場合は芸歴が長いですが、いずれも'80年代の期待の星だった人たちで、夭折というわけではないけれど、まだまだこれから後半生の活躍を当然のように期待されていた、
そういう意味で、若すぎる死だった、ということも共通し、同じくその意味で相通ずる衝撃を与えた、ということもいえます。

TwitterFacebookで僕をフォローして下さっている方は、 Whitneyの時の僕の動揺ぶり、というのをあるいはお気づきかもしれませんから、
またか。。とお思いかもしれません;)
いや、WhitneyやMichealの時とはまた違う、などといっても、
うんうん、それが悲しみの本質、ってもんだよ、
と納得されてしまうのでは、とも思います;)

しかしここにはやはり、ひとつ、質の違うなにかがある。
その辺りを書き残しておきたい、と思うのですが。。。

見ていると、意外なことに、プリンスの死に対する反応は、Whitney、Michaelの時以上に、さらに深く、強いようにも感じます。

いや、意外、というのは、あれだけの大スターで、あれだけの仕事を残した人ですからおかしく聞こえるかもしれませんが、
あるいはこれは、僕のだけの個人的な印象ではないかもしれません。

僕は、プリンスは、まず音楽がすごいと思うし、同時代の天才、といえばおそらくいちばんに、プリンスを挙げるくらいでした。
けれどこうなってみるまで僕自身気づかなかったのですが、じつはプリンスという存在は、MichaelやWhitneyのような、時代を代表するスター、というよりも、
同時代の、プリンスの音楽に触れた人、全てのあり方やものの考え方に、根っこから関わってくるような、そういうものだったように思います。

様々な思い出に結びついて懐かしく、いつも頭上に燦然と輝いていた存在、というより、もっとパーソナルに、つまり自分自身の内面や、世界認識に関わっていた、といってもいいかもしれません。

だからこそ、この逝去に対する静かな、しかし思いがけないほどの熱い反応が生まれてきたのだなぁ…と思うのですが。。
このあたりがなかなか日本、というか、日本語圏というかでは、うまく伝わっていないのではないでしょうか。

CNNのDon Lemonは、プリンスの最大のメッセージは、
It’s OK to be different
だった、と簡単にいっていました。

続けてみていると、ほかにもいろいろなアンカーやゲストたちが、ばらばらに、それぞれの番組で、
ハンサムだけど、一般的なハンサムじゃない、
セクシーだけど、所謂セクシーなタイプとは違う、
歌はもちろんうまいけど、JBみたいな意味で、いい声を持ってるわけじゃない、、、
などと、口々にいっていました。

アメリカのアフリカ系の男性で、ゲイじゃないのに化粧をする人はいない、とも;)

そもそもPurple Rainに先立つControversyアルバムで、

Am I black or white, am I straight or gay?

と、マイノリティ・グループにさえ同一化できない自分、
どこにも属することのできない自分、というものを歌っていたプリンスです。

↓↓のtweetにインクルードされたヴィデオでは、そのことを、Don Lemonがやや落ち着いて(それでもまだ興奮しながら;)話しています:

…このDon Lemonというアンカーに僕が気づいたのは、当時真面目にCNN intlを契約視聴していたところ、たまたまWhitneyの逝去が週末で、まだやや控え的に、週末を担当していたこの人が、そこからほぼ丸一日に近いフル・カヴァレッジを一人でやった、
そのいちばん最後に、I hope we’ve done. 的な簡単なひと言で、全体を締めくくったのですが、それが僕には、
自分たちにできるだけのことはやり切った、そう思いたい、
というようにも聞こえ、
非常に印象に残り、以来時々気をつけて見ている人です;)

天才、といった時、典型的に僕が連想するアーティストの一人が、ピカソです ー というと、これまたごくごくありきたりなチョイスですが;)
僕がほんとにそう思ったのは、'90年初頭代に、パリのピカソ美術館 Musée Picasso (Paris) へ行ったから:いまのピカソ美術館と比べると、圧倒的に展示スペースが少なく、圧倒的に展示作品数が多かった(笑)
質、量、アイディア、全てが桁外れに、とどまるところなくどんどん溢れ出す、
ほんの数メートルの間にクロノロジックに、圧倒的なヴァライエティが、
毎年毎年、ひとつのエピックと呼びたいくらいに独自な作品群として、
しかも圧倒的な量で、めまぐるしく生まれ、惜しげもなく変わり、どれも、みんな面白い。
もう、見るものを、出し惜しみのない、いや、そんな必要全くないし、不可能な、文字通り、天才の軌跡で打ちのめすような、当時のパリの美術館でした。

こんなこと、常人にはできるわけがない。
つまり天才、というのはある種の《例外》で、
プリンスの場合も、まず音楽からいって、R'n'B、ソウル、ファンク、ロック、ダンス、クラブ、といろいろいってみても、どれにもしっくりとは当てはまらない。
それ自体が既に、まさに天才の発現、ではあるのですが、
その結果、逆に、
R'n'Bって、ソウルって、ファンクって、と説明しようとすると、
すぐに「でもじゃあ、プリンスの場合は?」という反問が浮かんでくる。
それがさらに広がって、
ブラック・ミュージック、アメリカのポップ・ミュージック、
アメリカのアフリカ系のカルチャー、アメリカのポップ・カルチャー、
と考えて行っても、「でも、プリンスは?」という問いかけが、常に割り切れない部分として後に残ってくる…。
ということは、プリンスという一人の《例外》のために、そこまでの考え、常識を全部変更しなくてはならなくなる、ということで、
それはつまり、その分、
プリンスがいた分、確実に、世界が広くなった、
ということです:
待てよ、でもプリンス、っていう場合だってある。
そう考えられる、ということは、ひとつの大きな可能性、だったのです。

もっと日常的な、コンクリートな例でいえば、
こうだから歌が上手い、こうだからダンスが上手い、こうだから格好いい、こうだからセクシー。
そういう常套的な価値観をみんな、
だって、そしたらプリンスは?
この問いかけでチャラにしてしまう。
その意味で、人の精神、エスプリを、ひとつ、確実に自由にすることのできた、それがプリンスで、

It’s OK to be different.

というのは、つまりそういうことだと思うんですね;)

また、プリンスには、出し惜しみがない、という《天才》のキーワード↑↑もほんとうによく当てはまりました。

だいたいダブル・アルバム、というのは屢々ありますが、だったら例えば3枚組、というのはすごい、もちろんさらにすごい、
でもやり過ぎというか、一体何がやりたいのか、というか《???》。。というか(笑)
常人にはやや理解しかねるところがありませんか;)

プリンスという名前を使わせなくしてしまう、などといった時期もありましたが、あれだって、とても現在世界に氾濫している目先の金儲けのためのマーケティング、ということでは理解しきれないものでした。到底ポピュラー・ミュージックをやりたい人の発想ではない。
しかもプリンスというのは、本当の自分の名前、親のつけた本名らしいですね…。

さらにアルバムにタイトルを付けない:)

…Black album、と呼ばれておりましたが;)

名前同様、アルバムタイトルを、発音不可能なものにする:)

…通称アルバム名、Love symbol;)

問題のトリプル・アルバム、というのの誕生も含め、このあたり、背景にレコード会社との契約の問題があったとも、今回の逝去の大量のアメリカTV報道の中で改めて説明されていました。
しかしそれに先立つ10数年前に、既に4枚組(!)をものしていたことを忘れてはなりません(笑)

…さらにこちらも4枚組。

…出し惜しみない天才ぶり、などと形容したくなるのも、お判りいただけるのではないでしょうか。。

音楽も、文学についてもそうですが、僕は作品を聴いたり読んだりする、ということにまず興味があり、たいていの場合はそれで満足してしまいます。
アーティストの伝記的な事実、というのにはほとんど関心がなく、基本的にどうでもいい、と思っているのですが(笑)

…アーティストについて、こういう人生を送ったからこそこういう作品を作った、というのは完全に非科学的な(論証・反証不可能な)結果論に過ぎない、こじつけの場合がほぼ、全て、です;)

だからこそかえって、というか、いざ好きなアーティストのバイオグラフィーを読むとほんとに面白いなぁ、と思います(笑)
つまり、僕にとってエピテクストは、ほんとにいい意味で《おまけ》なわけです。
そういうわけで、今回も、プリンス逝去の報道の中で、初めていろいろなことを知りました。

プリンスが、自分の、ひいてはアーティスト全般の権利を守ることに、非常に意識の高かった人であることは有名だったし、
↑↑のアーティスト名を使わせない、アルバム名をつけない、読めないアルバム名をつける、というのもみんな、特に版元、レコード会社・レコード会社との契約との闘争の姿勢の現れであることは、容易に想像がつくでしょう。

名前のないアーティスト、アルバムを、どうやってレコード会社は販売すればいいのか。
作品をコントロールする力は作品の作者、アーティストにこそあるのだという強烈なマニフェスタシオン、示威行為はないでしょうか。

こういう有名な写真もあります:

(Source: http://theconversation.com/how-princes-quest-for-complete-artistic-control-changed-the-music-industry-forever-58267 )

SLAVE=奴隷、とステージで自分の顔に書き記すのも、レコード会社、音楽ビジネスに対する痛烈な批判です;)

デジタル・コンテンツの世界にパイオニア的に切り込んだ観のあるプリンスが、デジタル時代のアーティストのviability、
どうやってこの時代をアーティストとして生き抜いて行くか、ということを先鋭的に考えていたことも、改めてよく判りました。

これではアップルとgoogleとamazonしか金が稼げない仕組みになっている、
と僕が再々くり返しているのと、完璧にidentique、同じ批判をしていた、というのみならず、
(…こちらも参照。)
その一方で、若い人がappを自分でどんどん作れるよう、プロジェクトを財政面でサポートしていた、など。

今回僕がいちばん考えたことは、ひとつ、そこで、やっぱりデジタル・コンテンツにまじめに取り組まなくちゃなぁ、ということ。
お金にならないから、とめんどくさがらずに、やはり、どうやってデジタルと関わって行くべきなのか。
これは、ほんとに考えさせられました。

でその結果、何をしたか、というと、とりあえず、twitterとinstagramを非公開アカウントにした、というだけなんですけど(笑)
どうしてそうなるかは、少しずつかたちにして行ければいいなと思います;)

どんどん登録して下さい!Twitter ; instagram

…ということで、このポストの締めくくりとしては、やはりこの1曲を聴いていただきましょう。

とにもかくにも、プリンスはこの世を去りました。
Whitney、Michaelと来ても、またしても、まったく予想していませんでした。迂闊、というほかないでしょうが、
プリンスが存在する、ということは、僕にとって、
じつはそれほど当たり前だった、
世界というのは、常にプリンス込みで、プリンスを勘定に入れて、
(つまり、先に書いたように、ひとつの可能性として)
考えられるものだったのだなぁ、といまにしてしみじみ思います。
しかしプリンスによって、プリンスがいたことによって、
確実に広げられたこの世界は、
たとえプリンス自身はこの世を去っても、
永遠に、プリンスの分、広くなって、そのままなのです。

Prince Rogers Nelson (June 7, 1958 – April 21, 2016), R.I.P.


(Source: https://youtu.be/F8BMm6Jn6oU )

初めてのプリンス、なら ベスト盤 Prince - Hits & B-Sides

#RestInPurple


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